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アンビヴァレンツ

Ambivalenz ~二律背反~ 
メーカー:アリスソフト
 アリス久しぶりの現代物シリアスAVG。その雰囲気は、後の『アトラク・ナクア』や『デアボリカ』(こちらは同じ方のシナリオ)に通じる。ストーリーはわりと長く、その一種冷酷ですらある展開には賛否両論だったが、以後「シリアスなアリスファン」をいうものを作った、という点で意義のある作品。筆者はかなり気に入っている。

 ただ、キャラクターの外見的なオリジナル性はほとんどない。ヒロインは「吉永サリー」であるし(この件についてはスタッフも認めている)、その他の人物についてもなにかしら「どこかで見た」感を与えてしまう。これは「新鮮味」という点で大きなマイナス材料であるはずだし、「他のキャラクターのイメージを植え付けることでそのキャラクターのイメージを決定づける」という、創作としては誉められたものではない「土台制作への怠慢」を感じさせてしまう行為であり、またそれが意図しないものであった場合「キャラクターに対して余計なイメージを持たれてしまう」危険性もあるはずなのだが、その後も『Only You ~世紀末のジュリエット達~』『夢幻泡影』など、特にシリアスの分野で、アリスソフトはその姿勢を繰り返した。

--------------ここまで2005/06/26----------------

 先日のTwitterにて織音氏(『デアボリカ』(Win、アリスソフト)等原画)がこの「キャラ被り」について興味深い発言をされている。昨今も『戦国ランス』(Win、アリスソフト)の「上杉謙信」が「セイバー」(『Fate』シリーズ(Win、TYPE-MOON))、『闘神都市III』(Win、アリスソフト)の「マルデ」がライトノベル「狼と香辛料」の「ホロ」のパクリだ等と云われておりこれを腹に据えかねた上でのツイートだと思われる(ちなみに「ツイート」が一般的に「私見」に過ぎないことは留意すべきである)。
 引用する。「パクリだ!許せない!って言ってくる人には正直疲弊するのヨ。だから先にマニュアルとか館(スタッフコーナー)とか日記で言うの」「先に『これのパクリ!』って言われるとその元のキャラを絶対知らないようにしよう!とゲームを触らないようにしてる。まぁ別にそんな決まりは無いし、自分勝手だなとは思ってる」とのこと(原文ママ)。(ちなみに「マルデ」は『戦国ランス』の「お町」を可愛くしただけらしい)

 このコメント内容はクリエイター側の気持ちとしてはとても理解できる行動だ。「似てるって言われるかもしれないけど真似したんじゃないよ」と言いたいのだろうし、「あくまで知らずにいればそれ以上引っ張られることはない」という考え方なのだろう。
 この言に沿えば、このゲームにしても「吉永サリーに似たのは偶然で、言われそうだから言われる前に言っといた」という経緯だった可能性が考えられるようになる。

 もっとも、パクリだなんだと言う側にしてみればいくらでも言い訳だと曲解することが可能なのも事実である。開発で後戻りできない段階や発売後に言われたならまだしも、事前情報がかなり早期に公表される昨今、言われた時点で知らん振りを決め込むぐらいならその類似点を避けるぐらいのことはしろ、という意見はかなりの説得力を持つ。(また、この記事を書いた当時やそもそものゲーム発売時期(1994年)と現在では状況が違うだろうこともまた留意すべき点だ。現在はほとんどの「萌え」が開拓しつくされてしまい被らせないほうが難しいという見方もあろう)
 
 ただ、それを踏まえたうえで、当時のアリスソフトのキャラクター造形(特に『Only You ~世紀末のジュリエット達~』)に関して言えば、リアルタイムに見ていた人間からすれば、いくら開発側が否定しようが、(当時から作画に参加していた織音氏には申し訳ないが)冗談にしか見えなかったのも正直なところだ。あれだけ共通点がヒットするキャラクターが複数集まってしまっており、また『Only You』に関して言えばなぜかFC専売にされてしまいリメイク時にはキャラクターデザインが一新されたという経緯も考えると、邪推したくもなる。
 思うに、少なくとも当時のアリスソフトには、ユーザーの「萌える」ポイントを拾うのを優先し、先にその萌えるポイントを発掘したキャラクターに対しての敬意を若干ないがしろにしていた部分があったのではないだろうか。

 そして現在言いがかりに近いようなことを言われてしまうのも、その当時のイメージがいまだに尾を引いているからなんじゃなかろうか…そんなふうに考えてしまうのだ。――やっぱり下卑た考えかなぁ…。ただ筆者に関して言えば、アリスソフトの前身のチャンピオンソフト時代に『ポートピア連続殺人事件』がバカ売れした後、なんだか似た画面の『オルリー空港殺人事件』を発売した件も(いいかげん時効だろうに)引っかかっているのが我ながら嫌な奴だなぁ、と思う(´・∀・`)
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by buisochan | 2010-08-26 11:26 | PC-9801  

プロフィール

じゃろうあきら、邪琅明。

元成年漫画家、現在は病気で自宅療養中。細々とライター仕事のみ募集中。
中学・高校時代にPCゲームに凝り、ショップに出入りしていた。
基本的に記憶力と検索のみで書いているので、突っ込みなどあったらお手柔らかに。
なお、以下の2サイトを含む3サイトともフリーリンクです。

WILL _akira zyaroh (超不定期更新)
http://bui-n.boo.jp/zya-roh/

ファンタシースター関係の歴史をまとめたサイトの運営もしている。(絶賛停滞中)
PHANTASY STAR HISTORY
http://bui-n.boo.jp/ps/

その他
過去作品pixiv
http://www.pixiv.net/member.php?id=2315398
Twitter(まれにつぶやきます)
http://twitter.com/zyaroh


メアドはbui-n●co.boo.jp。(●を@に置き換えてください)
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by buisochan | 2010-08-25 09:29 | プロフィール  

ヴァルキリースカイ

Valkyrie Sky
メーカー:Yolim Communication(開発)/JC Entertainment(運営)/JC Global(ローカライズ・運営)/NHN Japan(運営提携)
 韓国産、「弾幕MMORPG」を名乗るネットゲーム。その名の通り戦闘を4人まで参加可能のSTGにしたRPGだが、その性格上「MMORPG」というよりロビーの広いMOである(ちょうど『ファンタシースターユニバース』(Win/PS2/Xbox360、セガ)と同じような感じだ)。
 『東方』シリーズ(Win、上海アリス幻樂団)に影響を受けた作品だと思われる。また、ゲームとしてのバランスは意外にもと言ってはなんだが良好で、PTプレイの楽しさは『PSU』『PSO』(DC/GC/Xbox/Win、セガ)を髣髴とさせられる。それからPvPは『サイキックフォース』シリーズ(AC/PS/DC、タイトー)になんとなく似た感じだ。

 ただ、JC Globalの運営は『Heroes in the Sky』同様、課金システムを始めとするシステム面での完成度(課金充実度ともいう…)の高さに比して、ローカライズのいい加減さは笑えるほどである。例えば、クエストNPCの台詞にこのようなものがある。
「(前略)あなたはキーパ様に会ってください。キーパ様は今とても大きな心配があります。ニドホグによって沼が怒っていると仰っています。  て沼が怒っていると仰っています。  い。キーパ様は今とても大きな心配があります。ニドホグによって沼が怒っていると仰っています。  ニドホグによって沼が怒っていると仰っています。 松ってださい。キーパ様は今とても大きな心配があります。ニドホグによって沼が怒っていると仰っています。」 
「助けが必要だった真実だ。とてもよく来たの。この間、ターク様に大きい借金をすることになったの。私の使う事ができない防御具たちを全部新しいもののように直してくださったんだろう。それで私も何でも報答をしなければならないでしょうに。お前もターク様を注意深くよく見たら宝石たちが大好きなことが分かったことだ。その宝石たちを求めなければならないのにこの頃それらの値段が高くてね。フルルティから紋様合成をすれば神秘球修正玉たちを得ることができる。私の考えにその中には多くの宝石たちが隠されていることが明らかなの。報答は早くするほどいいね…修正玉を私に持って来ない?」
「もっと高い段階の釣り技術を学びたい?それでは、私がその資格を確認して見られましょうか? そうだったら…。釣り手なら一度ほどは惨然ふなに対して聞いて見たでしょう。特に、天然稚魚は伝説にだけ聞こえる空するのを取るのに、大きいモックイッガム役目をしますね。伝説によれば、空する天然稚魚をとても好きで、占めるため、争っている途中死ぬまでするというです。もちろんその伝説が事実なのかないかはわからないがですね。あなたが天然稚魚を取って来れば私が次の技術をお知らせいたしますね。」
…とまぁ、改行コードを間違えたりしたのか台詞が連呼されていたり、翻訳ソフトを通したものをそのまま使用したり、「モックイッガム」とはいったい何なのかさっぱりわからなかったり、この辺は韓国企業のおおらかさなのかもしれないが(日本企業の英語のいい加減さもまぁいい勝負ではあったりする。「ALL YOUR BASE ARE BELONG TO US」の伝説をご存知か?)、もうちょっと力を入れてほしい気がする。もっとも、STGしてればいいんであまり読まれていないのが実情なのでこれでもいいのかもしれないのだが…。

 なお、序盤はクエストをしていればレベルはどんどん上がっていくのだが、中盤以降クエスト数が減少し、クエスト外での周回がレベルアップに不可欠になってくるのもよくあるパターンではある。
 それから雑感としていくつか。このゲームはステージプレイにスタミナを消費し、スタミナ回復には面倒で時間のかかる無料に近い方法か、オークションで回復量の多い料理を買うしかないので、廃プレイしようとするとなかなか苦しい。また、弾幕を消せない職業は1日に支給される無料コンティニューコイン3枚は一瞬で消費してしまい、有料の課金コインを大量に購入せざるを得なくなったりする(特に剣士(弾幕を通常攻撃で消せる)のいないソロプレイ時)のもせちがらいなぁ。(『PSO』でフォース(魔法使い)が回復剤貧乏になったのを思い出す)

-------------ここまで2010/05/27-------------------

 2010/02/25から運営されていたこのゲームだが、本日8/17、9/30をもって運営を終了する旨の発表がなされた。2010/07に開発元であるYolim Communicationが破綻したためとのことである。7ヶ月ちょっとという短い期間のサービスとなってしまった。
 ただ、もちろん経営上の問題もあろうが、先に行くほど腕が要求されそれを持たないものは金銭で補填するしかない、STGというゲーム形態の限界もあったのではないかと思う。ユニークな試みではあっただけに残念な情報だ。

 ファンタシースターユニバース
 ファンタシースターオンライン
 Heroes in the Sky
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by buisochan | 2010-08-17 21:03 | Windows  

マブラヴオルタネイティヴクロニクルズ01

Muv-Luv Alternative Chronicles 01
メーカー:âge
 アージュ久しぶりの新作にして『マブラヴ』シリーズ最新作。なお、ゲーム化がアナウンスされていた『マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス』とは別物で、また「01」とタイトルにあるようにシリーズとしての定期的なリリースが予定されている。
 『マブラヴ』「UNLIMITED」編でヒロインが地球を脱出した以降の人類の戦いを描く『マブラヴ アンリミテッド ザ・デイアフター』第1回をメインコンテンツに、二次創作を原作とするイベント販売されたAVGに音声などを追加した『チキン・ダイバーズ』『レイン・ダンサーズ』などを収録している。

 前作『マブラヴ オルタネイティヴ』も前々作『マブラヴ』をプレイしていない者には完全に楽しめない初心者お断りのゲームであったが、今作はそれに増して初心者お断りな、言い換えるとファン御用達のゲームになっている。また、ゲームとしてのボリュームが3作品(+1)足しても7時間弱でプレイ終了と、ファンディスクのコンテンツだった『かがやく時空の消えぬ間に』よりも短く、かなり価格に比して控えめになっている。この点でもファン専用の作品だと言えるだろう。

 『ザ・デイアフター』はメインコンテンツで、『オルタネイティヴ』がシナリオ的にはほぼ完全に収束している以上話の広げ方としては斬新な切り口ではあるが、作品としてはかなり序章という印象を受ける(ゲーム中でも「episode00」という表記をされている)。それ故、なんというか消化不良的なもやもやが残るのは否めないところだ。残りの2作は本当にショートストーリーで、『オルタネイティヴ』世界での無名の人々にスポットライトを当てた内容であるため、プレイ感覚は(内容はともかくとして)非常に軽い。
 総じて、ファンディスクともいえるような内容は、ディスクマガジン形式のソフトの少ない昨今は余計に、評価の分かれるところだ。

 それから隠しコンテンツでありこのソフトが18禁である必要性を一身に担っている『○○○○○○○○』だが、『オルタネイティヴ』で純夏が受けていたことを逆に行う内容で、おふざけとはいえ少々悪趣味な印象を受けた。蛇足といえば蛇足だったように思う。

 マブラヴ
 マブラヴ オルタネイティブ
 かがやく時空の消えぬ間に
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by buisochan | 2010-08-13 13:12 | Windows  

おーいたすけてくれ

おーいたすけてくれ
メーカー:SORD
 ROMカートリッジ『スーパーアドベンチャー』上からテープをロードしてプレイする(『スーパーアドベンチャー』とは別売)テキスト+グラフィックAVG。同時発売に『にげろにげろにげろ』がある。(筆者はどっちかを店頭でプレイしたはずなのだが、内容を全く覚えていない。ネット情報によると『おーいたすけてくれ』は無人島からの脱出、『にげろにげろにげろ』はカタストロフ世界から安全なところへ逃げる内容とのことだ)
 要は『スーパー』がインタプリタというかランタイムルーチンの塊で、それを利用してAVGを続々と発売していこうという試みだったらしいのだが、『スーパー』が9800円、テープ版の『おーいたすけてくれ』『にげろにげろにげろ』が各4800円と結構お高く、またM5が衰退期にあったこともあって、続編が出ることはなかった。ゲーム自体も「これBASIC-Gでできるんじゃない?」というものだったりして、希少価値だけが残ってしまった印象だ。なんとなくSMC-777の『うちのタマ知りませんか?』を髣髴とさせられるケースだなぁ。

 おこたで(の)まいこん 補完ページ M5スレッド
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by buisochan | 2010-08-11 22:27 | M5/ゲームパソコン  

カレイジアスペルセウス

COURAGEOUS PERSEUS
メーカー:コスモスコンピューター →(18禁ブランドのひとつとして)RISE → Circus
 『ハイドライド』(88/X1/FM7/MSX/P6mkII/MSX2/98/MZ2000/2500/FC(『II』の魔法要素を取り入れた『ハイドライドスペシャル』)/MD/X1turbo/Win/携帯電話、T&Eソフト/キャリーラボ(MZ20/25))/ブラザー工業(X1t)/東芝EMI(FC)/ボーステック(携帯))や『ドラゴンスレイヤー』(88/X1/FM7/MSX/98/スーパーカセットビジョン/GB/SS、日本ファルコム/スクウェア(MSX)/エポック社(SCV))に先んじて開発されたARPG。発売自体は1985年にずれ込み、1984年末に発売された両作品の後塵を拝することとなった。X1、FM7などでも発売された。
 (正確には『ドラゴンスレイヤー』は『ローグ』タイプのターン制RPGで、完全ARPGになったのは『ザナドゥ』から。そのため、世界初のARPGは『ハイドライド』である…余談) 

 ギリシャ神話をモチーフにしたゲームで、主人公ペルセウスとなり魔物の島を冒険する。ARPGとは言っても最初に倒せる敵は1種類だけで、その種族を(ほぼ)全滅させると次の種族が倒せる強さに成長しているため、次の種族を探し全滅させる→その繰り返し、がゲームの手順となる。他の種族に対しては体力を削られるだけなので(ちなみに時間や無駄な動き(壁に向かって突進するなど)でも体力は消費される)、一度戦ってみて敵わなかった種族についてはどれだけ体力を削られたかを記憶し(それがその種族の強さの目安になる)、あとは逃げ回ることになる。敵の動きはランダムなので、まめにセーブロード(ディスクとメモリー上の2箇所にセーブできる)を繰り返して体力を温存することが鍵になる。島は複雑な迷路となっており、いかだやワープポイントを駆使してマップを記憶することが攻略には必須だ。

 十二星座のアイテムを全て揃えるか、3人の女神を全て救出するかでエンディングが分れる…のだが、十二星座のひとつであるカニがラスボスであるドラゴンに次ぐ強さであり(ちなみにカニ出現時にいかだがかすると転覆して即死する)、ゲームシステム上カニと戦うまでに女神を2人救出してきているはず(女神の出現条件が「特定種族を倒すこと」で、さらにはカニまでには他の種族を全滅させている)なので、最後に戦う敵がカニなのか、メデューサ経由ドラゴンなのかの2択によって実質的にエンディングが決定される。

 女神エンディングは画面上の演出があるが、十二星座エンディングはメッセージが出るだけなので非常にあっけない。また、コスモスコンピューターのゲームはPSG搭載機種であっても基本的にPC88のビープ音をそのまま移植するため、X1などでプレイしても非常に淡々としたゲーム展開となっている。…このように演出面で非常に損をしているゲームではある。またゲームシステム上1回解けば2回目のプレイは完全に作業になってしまうので、一応は繰り返し遊べる後続の『ハイドライド』『ドラゴンスレイヤー』の陰に完全にかすんでしまった悲運のゲームでもある。コスモスはこういうところが下手だったなぁ…。


 ちなみに『ハイドライド』の内藤時浩氏は非常のこのゲームのことをライバル視しており、「(ハイドライド開発中にカレイジアスペルセウスのことを知り)ハイドライドプロジェクトは終わった」、「カレイジアスペルセウスがもう少しグラフィックが綺麗だったらハイドライドは負けていた」などのコメントを残しているとのこと。

 なお「種族を全滅させると次の種族が倒せる」というシステムは、AVG『魔界王』(X1/X1turbo、パスカルII/ボンドソフト)の3Dダンジョン面でも採用されている。


 ハイドライド
 ドラゴンスレイヤー
 魔界王
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by buisochan | 2010-08-08 13:55 | PC-8801/mkII/SR/FH